ハウツー手形割引-手形割引業者は儲かるのか

手形割引割引業者は儲かるのか?

そもそも手形割引とはどういうからくりになっているのか?

手形割引は、受け取り利息(割引料)が売上です。
売上には仕入れがありますが、仕入れは手形割引業者が借りてくる金利です。
借りてくる金利と受け取る金利の差が荒利となり、経費をまかないます。

事務所経費やら人件費やら交通費やら広告費やらをかけて手形割引業をする場合、それに見合った売上が必要なわけですが、
売上単価には、法律の規制が掛かっていますので、無制限に単価を上げて(金利を上げて)売上を伸ばすわけには行きません。

単価が上げられないので、売上げを増やすためには、扱い高(割引手形)を増やすしかありません。
つまり、手形割引業者は扱い手形を増やすしか、売上を伸ばすことはできません。

シミュレーションして見ましょう。
手形割引料を12.00%と固定します。
手形割引業者が仕入れる金利は5.00%と固定します。
すると、
120日手形を扱うと固定すると、月1億円扱うと、230万円の荒利を得ます。
但し、毎月230万の売上を上げるためには、当然毎月1億の割引手形の扱いが必要です。
すると、借入金は4か月分の手形割引の残高4億が必要です。

手形割引業者は通常扱った手形を再度金融機関で割引ますが、方法はどうあれ借入れに変わりはありません。

ここで問題になるのは、手形割引業者が、その付き合っている金融機関から、どれだけの借入れが可能なのかということです。

整理しますと、
・手形割引業者は、扱い手形の額を増やさなければ、売上は上がらない。
・扱い手形の額を増やすためには、人員も広告も必要となる。つまり経費が増える。
・しかも、扱い手形を増やすと借入れが増えるので、付き合っている金融機関がどれだけ貸してくれるかも問題になる。

そして、大きな問題となるのは、不渡り手形の発生による貸し倒れです。

1ヶ月1億の割引手形を扱うと、4ヶ月で4億です。
4億の手形割引を管理するためには、最低でも3~4人のスタッフは必要かもしれません。
がんばって社長をいれ3人で業務を行っても最低150万は経費が掛かりそうです。

すると、残金は80万ということになります。
つまり、1ヶ月の貸し倒れの許容発生率は1億に対して80万ですから0.8%です。
こんな、貸金業はありえるのでしょうか。

しかも、このシミュレーションで固定した、12%という手形割引料率は実際もっと低いようですし、借入れで固定した5%の金利は、
もっと高いようです。

すると、生き残れる手形割引業者は、自宅で家族と自己資金を中心に行う零細手形割引業者か、スケールメリットを持った大手
ということになります。

あるいは、奇跡的に不良債権を持つことの無い手形割引業者???

そして、零細手形割引業者は、一般的に充分な調査や、情報を得られないことが多いので、自然消滅的に無くなっていく運命にあります。

かたや、銀行以外のスケールメリットを持った手形割引業者は何故か、手形割引よりも貸付に傾倒しています。
しかも、上場しているような手形割引業者が表示している手形割引最低レートが、5~6%と高めの設定になっているのも面白いところです。

みなさんは、4億の資金が使えるとき手形割引業をやってみたいと思いますか?

答えはノーですよね。

それほど魅力のある仕事ではないかもしれません。大変そうだし!!
現実に、手形割引業者として新たに参入する人より、やめていく人のほうが圧倒的に多いのも納得できるところです。

現在、手形割引行として活動している業者には、それぞれ事情があるのかもしれませんね。
是非、聞いてみたいものです。

最後に、
銀行は手形割引に消極的なところが圧倒的に多いのが現状です。
手形割引業者は、急激に減ることはあっても増えることはなさそうです。
手形の流通量自体も、年々減少しています。

ひょっとしたら、手形割引業者はいなくなるかもしれませんね。
同じ理由で(法律で認められる金利は同じですから)事業者金融業者も減少しています。

消費者金融は銀行のひも付きで今後も生き残りそうです。

本当に、事業者に対する金融業者は、銀行以外いらないのでしょうか。
いらないのであれば、無くなるのでしょう。

ただこの状況の発端は、債務者を担いだ弁護士たちが声高に叫んだ結果設定された、たった一つの法律であるということが気になります。