例題11
わたしの会社が危ない
それは、突然のことでした。
取引先が倒産したとの噂が私の耳に入ったのです。
私の会社は、月商1000万ほどの製造業で、その約半分はその取引先(仮にA社とします)で占めていました。
しかも、売り上げの回収は全て手形。
A社に出向くと、破産するという張り紙が??????
「ふざけんなよ、つい最近も一緒に飲んだじゃないか!こんな素振りぜんぜんなかったぞ」
それからは、一切本人との連絡取れず、・・・・・
私の会社にとっての問題は、まず目先のことをどうするかなのですが、何をどうやったらよいかわかるはずもありません。
今なら少しはわかりますが、人間窮地に立たされると呆然とするものですね。
問題を整理してみましょう。
・売掛残(1000万程度あるのですが)をどうやって回収したらよいのか。
・受取手形の中で、割引いたもの(1500万程度)と、回しで払ったもの(500万程度)の処理をどうしたらよいのか。
・目先の、私の支払いをどうしたらよいのか。
・仕掛かり中の仕事をどうしたらよいのか。
このとき、手形割引業者、ノンバンクは連絡は早かった。
まず驚いたのが、私が聞いた噂というのが、その手形割引業者からの電話だったのです。
「A社に良くない噂が出ています。状況を確認したほうがいいですよ。何かあったら連絡ください。」
何でわかったんだろう????
この流れで状況がわかったので、件の手形割引業者(例題10のC社)に相談することになりました。
C社担当者
「まず、被害の一覧と、社長の資産内容の一覧を教えてください。」
「交渉相手は、銀行、手形割引業者、仕入先、弁護士です」
「銀行は、今後の協力を得られるかどうかを、知らなければ交渉内容は決定されません。
手形割引業者、ノンバンクは返済のスケジュールを決めることです。
仕入先へは、状況を説明して、支払いを少し待ってもらう交渉をします。
A社の弁護士へは、連絡を取って今後のスケジュールと、社長が受けている仕事についての明細や、確認できる
書類について協力してもらえるよう話してください。」
私
「確認書類って、何で?」
C社担当者
「社長は、倒産防止協会に加入されていますよね。この協会からの融資を引き出すために必要になることがあるので、
売り掛けに関しての資料は、あらかじめそろえておいたほうがいいんです。」
「もちろん、社長側の、台帳関連も整理して用意しておいてください」
「では、はじめましょう」
すごい、プロだ。
私は本当に思いました。そして、これらの交渉の中で、人間関係や、それぞれの企業の姿が見えた気がしました。